1.0 内外情勢と日本共産党の立場

1.1 米国においてオバマ大統領が就任したことで、世界は変わりつつあるのかも知れない。オバマ大統領が核廃絶に対しどれほどの熱意と政治力を持つのか評価は尚早であるが、第二次世界大戦終了後核廃絶最大のチャンスが訪れていると見てよいであろう。この流れを維持発展させるよう、日本共産党は努力を続ける。

1.2 1980年代より一貫して中国の存在感が増している。リーマンショック以降は特に経済力の強さが目立つ。今後世界経済は中国を抜きにして維持できないであろう。中国は歴史的に見ても古代の昔から高い文化水準を持つ大国であるが、19世紀から20世紀のかなり遅くまで没落の歴史をたどった。ゆえに経済大国指向と覇権主義指向が目立つが、それも十億を越える人口を抱える多民族国家であることを鑑みれば致し方のない面もある。日本共産党の野党外交は世界平和と日本の国益を見据えつつ、友党である中国共産党の良きアドバイザーとしての動きを中心に据える。

1.3 世界的問題として地球温暖化に対する先進国と発展途上国の対立が問題になっている。地球温暖化は、その根拠とされているIPCCの報告書には疑問も多い。しかし日本が優位に立つ環境技術をこれほど活かせる分野もない。日本共産党は、日本の環境技術を世界に広める野党外交を推進する。

1.4 昨年8月の総選挙によって、自民党政権は野党に転落。民主党が政権党となった。この流れは、小泉政権以来の新自由主義的政策の失敗によるものである。多くの自民党支持者は民主党支持に回り、歴史的な政権交代が実現した。しかし国民は民主党に対し、以前の自民党支持層のような「信頼感」を持っていない。民主党政治が失敗すれば、再び多くの支持者が自民党に舞い戻ることになるだろう。

1.5 日本共産党は、従来から一貫して反自民を貫いてきた。しかし自民党凋落の絶好の時期に政権をとることができず、民主党が政権をとったことは、国民から我が党のあり方について根本的な疑問を提出されたと見るべきである。

1.6 民主党政権は、これまで日本共産党が主張していた政策の多くを採用している政権である。にもかかわらず、総選挙において民主党の1/30以下の議席しかとれな買った事実を直視すべきである。

2.0 党内部の問題とその克服について

2.1 反党と考えられている組織。団体からの入党、専従採用など

2.1.1 日本共産党は、結党以来一貫して反権力の立場にいた。また、他の左翼のの関係も良好とは言えなかった。そのため警察、自衛隊、右翼団体・政党のみならず、左翼政党・団体との関係も良好であった時期は多くない。

2.1.2 そうした経緯から、従来上記団体に所属した経歴の新規入党者や専従採用などは、相当な警戒心を持って行われてきた。すなわち、彼らを敵対勢力のスパイかもしれないとする認識で接していた。そうした認識は、過去何度もスパイの潜入を許し、最悪時には党の代表者の座をスパイに与えていたことの反省からである。反面、そうした認識は敵対勢力から転向し、党に参加しようとする者を過剰に差別してきたきらいがある。

2.1.3 敵対勢力からの転向者を迎え入れることは、本来は党の誇りである。にもかかわらず転向者を差別することは、党組織の人材多様化と層の厚さを維持拡大する障害である。スパイを摘発するのは技術であり、技術が未熟であるがゆえに転向者に冷たくなるのは本末転倒である。

2.1.4 ゆえに、党はスパイの調査摘発の技術を磨くと同時に、今なお党内に存在する転向者差別を克服しなければならない。

2.2 党員処分の過程の透明化

2.2.1 現在、党規約によって除名・除籍など党員の処分手続が定められているが、外部からも内部からもその過程が不透明で、機関の恣意的運用が疑われている。よって党員の処分を行う場合、手続きは全て書面化し、かつ査問の過程を録音し、保存する。

2.2.2 処分において作成される書面や録音は、処分される者の署名捺印のもと党内のみならず処分される者にもコピーを渡す。これにより党内処分に対する外部からの疑惑を払拭する。

2.3 委員長選挙と投票について

2.3.1 党は従来中央委員を選出した後、中央委員会の互選によって委員長などを決めてきた。この制度は多くの党員の意思を反映するとは言えないため、党大会時までに全党員を有権者とする中央委員の選挙と選出された中央委員を候補者とする委員長選挙を行う。

2.3.2

2.4 党財政について

2.4.1 しんぶん赤旗日刊紙を廃止、日曜版に集中する

2.4.1.1 しんぶん赤旗はこれまで党財政に大きく寄与してきた。しかし新聞不況は赤旗にも及び、日刊紙は恒常的な赤字体質から抜け出せないでいる。また、日刊紙の配達負担も大きく、脆弱な基盤の党組織においては配達集金が党活動の足かせとなっている。現在の党の力では、日刊紙の維持は困難を極める。

2.4.1.2 幸いなことに、本来党への入門的位置づけであった日曜版は、今なお150万部以上の部数を維持しており、これからもしばらくは党財政を支える力がある。また配達負担も日刊紙の1/47に減少する。よって日刊紙を年内に廃止し、日曜版を再構成することで部数の拡大をめざす。

2.4.1.3 しかし、先に述べたように、新聞はメディアとしてすでに凋落を始めている。日曜版もいずれは売れなくなる時代は刻一刻と近づいていると見るべきである。よってしんぶん赤旗に代わる財政基盤を早急に立ち上げなければならない。その方法については、ネット上での課金モデルや広告モデル、SNSモデル、あるいはNPOに見られる物販やサービスによる収益確保などが考えられる。どの方法を取るのが我が党に向いているのか、我が党の強みをいかせるのかは不明である。よって次回党大会までに全党組織がさまざまな試行錯誤を行い、新聞収益の比率を下げていくこととする。

2.4.2 政党助成金の受け取りについて

2.4.2.1 党は、政党助成金制度に反対し、施行以来受け取りを拒否してきた。しかし、今年より受け取りを行うこととしたい。なぜなら、受け取りを拒否することで共産党に受け取ることが可能な助成金が他政党に流れる、利敵行為になっているからである。

2.4.2.2 現在、格差社会の下部にいる多くの国民が経済的に苦しい状況にある。党はこれを緩和することを望んでいるが、その原資が全く不足している。しかし、政党助成金を原資に充てれば、十分とは言えないが今よりもはるかに多くの仕事を行うことができる。国民の税金を政党はいかに使うかの模範を示し、政党助成金制度を廃止に追い込むため、あえて政党助成金を受けとる。

2.5 党規約二十五条、二十六条、二十七条の改定について

2.5.1 国から財政補助を受けて運営される組織、または会費等を徴収して運営される組織団体は、その経費が適正に費消されているか、その経費での活動の妥当性などを評価する機能を有する。これを、そのまま機械的に政党に適用することはできない。しかし、数十万の構成員を有する組織では、何がしかの「評価機構」を有し、普段の活動などの点検がなされるべきである。

幸い、党には、それに関する機能として規約二十五条、二十六条、二十七条に基づく三委員会の設置が定められている。党員の訴えを審議し解決する、規律違反を調査・審査する、そして会計財産などを監査するために標記規約に基づき設けられてきた。しかし、これらの規約に基づく三委員会委員はこれまで中央委員会から任命されると規定されていた。三委員会の創意的な活動と率直な党大会への具申を保障するためには、一定程度、中央委員会との間に独立した関係が保たれるべきである。そこで、標記委員会の委員構成について下記のように規約を改定する。とりわけ、訴願委員会については、その所掌する活動分野を拡大し、党活動の評価を含める事とするために名称を評価・点検委員会に改める。

2.5.2  第二十五条 党大会は評価・点検委員を選出する。

(一) 評価・点検委員会は、党機関の指導その他党活動にかかわる具体的措置にたいする党内外の人からの訴え、要望などのすみやかな解決を促進する。各級委員会での‘除名‘など党員に保障された権利の制限を伴う諸決定について、その正当性を点検し、中央委員会に具申する。

(ニ) 上級組織の指導、決定および役員選出などでの経緯について、必要に応じ調査・点検しし、中央委員会に具申する。

級指導部の政治方針が有効であったか、或いは有効ならしむるための活動が適正であったか、否かについて調査点検し、それらの評価を含め中央員会に具申する。

2.5.3 第二十六条 党大会は、規律委員を選出する。規律委員会は、つぎのことをおこなう。

 (一) 党員の規律違反について調査し、審査する。

2.5.4 第二十七条 党大会は、監査委員を選出する。監査委員会は、中央機関の会計と事業、財産を監査する。

 (補足) 上記三委員会の委員選挙細則は別項に定めるところによるものとする。

3.0 総選挙の総括と教訓について

3.1 実質後退

3.1.1 党は、郵政民営化が焦点となった前々回の総選挙時の議席数9を守ることかできた。しかし、今回の総選挙は2008年から続いた「蟹工船ブーム」、「リーマンショック」による非正規労働者の大量解雇の社会問題化といった、党が注目、期待される状況下において議席数を増やすことができなかった。

3.2 小選挙区候補者数減少は、得票を減らすことにはならない

3.2.1 これまでの党の選挙戦略は、無駄の多いものであった。比例代表候補当選のため、衆議院小選挙区・参議院選挙区の候補を別動隊としていた。比例代表候補選対単独の力では、得票を確保できないと考えていたからである。しかしこの方法は多くの選挙区で選挙区候補に「供託金没収」という屈辱的敗北を強いる犠牲をともなった。

3.2.2 党財政がひっ迫しつつあるため、そして地方党組織の意向を汲み、昨年の衆議院選挙において党は少なからぬ小選挙区の候補擁立を見送った。しかし得票率を見た場合、小選挙区候補を減らしたことで得票が下がったといった相関関係は認められない。

4.0 参議院選挙勝利に向けた基本方針について

4.1 比例代表

4.1.1

4.2 選挙区

4.2.1 前回の選挙区選挙において、党は唯一維持していた東京選挙区の議席を失い、選挙区選出の議員はいなくなった。現状の能力では一議席獲得も困難をきわめる状態となっている。

4.2.2 よって当選の見込みのある選挙区に力を集中し、以下にあげる地域ブロック内の最も得票率の高い都道府県における一議席の獲得をめざす。北海道・東北ブロック。関東ブロック。中部ブロック。関西ブロック。中国ブロック。四国ブロック。九州・沖縄ブロック

4.2.3

5.0